【現役エンジニアが語る】ユーザー管理におけるAWSとSalesforceの共通的な考え方3つ
- yeda1343
- 4 日前
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目次
はじめに
こんにちは、テラスカイ・テクノロジーズの山中です。
私はAWS(Amazon Web Services)とSalesforceの研修を受け、現在はお客様先にて両方のクラウドサービスでのユーザー管理を行っています。
この記事では、AWSとSalesforceの研修とお客様先での業務を経て、個人的に「これは似ているな!」と感じた共通点についてご紹介していきます。
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ユーザー管理:利用するのは「人」だからこそ
AWSもSalesforceも、サービスを利用するのは結局のところ「人」になります。
そのため、どちらのサービスもユーザーの管理機能が充実しています。
・個別のユーザーアカウントがある
どちらのサービスもまずはユーザーを登録し、ログイン情報(IDとパスワード)を設定します。これにより、だれがサービスにアクセスしているのか明確にできます。
・多要素認証(MFA)に対応している
パスワードだけでなく、スマートフォンアプリやハードウェアデバイスを利用した多要素認証に対応しており、不正アクセスからの保護を強化できます。
権限管理:誰に「何を」許可するか
AWSとSalesforceは、どちらも「最小権限の法則」に基づき、ユーザーが必要な操作だけ行えるようにするため、きめ細やかな権限管理機能を提供しています。
AWSの「IAMポリシー」とSalesforceの「権限セット / 権限セットグループ」はまさに同じ目的を持っています。
・AWS:IAMポリシー
IAMユーザーやIAMグループ、IAMロールに対してどのAWSサービスのリソースに、どのような操作(読み取り、書き込み、削除など)を許可するか定義します。
JSON形式で記述されており、自分でカスタマイズしたIAMポリシーを作成することも可能です。

・Salesforce:権限セット / 権限セットグループ
権限セットは、ユーザーがSalesforce内でどのオブジェクト(取引先、商談など)、どの項目、どの機能(レポート作成、データのエクスポートなど)にアクセスし、どのような操作を許可するかを定義します。
また、Salesforce機能の1つとして、権限セットグループがあります。
特徴は、複数の権限セットをひとつのまとまりとしてグループ化し、まとめてユーザーに割り当てられる機能です。
権限セットグループを利用すれば、個々の権限セットをユーザーに割り当てる手間を省き、効率的に複数の権限セットをユーザーに割り当てることができます。


これらの機能は、「この人には、この機能だけを利用していただく」というニーズに応えるため、両サービスにおける根幹的な仕組みとなっています。
グループによる権限の効率化:大勢を「まとめて」管理
個別のユーザーに一つ一つ権限を設定するのは非効率であり、またユーザーが増えるにつれ、作業量が多くなることによる人的ミスの可能性も高くなります。
そこで登場するのが、AWSでは「IAMグループ」、Salesforceでは「プロファイル」。どちらも、複数ユーザーの権限をまとめて管理する仕組みです。
・AWS:IAMグループ
複数のIAMユーザーをまとめて管理し、そのグループにIAMポリシーをアタッチすることで、グループに所属する全ユーザーに同じ権限を付与できます。「開発チーム」「運用チーム」といった形でメンバーをまとめる際に便利です。
また、IAMユーザーは複数のIAMグループに所属することができます。例えば、「開発チーム」と「運用チーム」の両方の権限を付与したい場合には、下記画像のIAMユーザー「DevOps_User_01」のように両方のIAMグループに所属させることで、両方のチームの権限をまとめてIAMユーザーにアタッチすることができます。

・Salesforce:プロファイル
ユーザーがシステム内での役割に基づいて、アクセスできるオブジェクト、項目、アプリケーションなどを定義します。ユーザーは必ず1つのプロファイルに属し、必要なオブジェクトの参照・編集権限、アプリケーションのアクセス権限が決められます。(1人のユーザーに対して複数のプロファイルを割り当てることはできません)
ただし、プロファイルは「基本的な役割」を定義するため、そのままだと柔軟性に欠けます。この柔軟性を補完するのが、前述で紹介した権限セット(権限セットグループ)です。プロファイルで定義された基本権限に加えて、特定のユーザーに必要な追加権限を、権限セットとして割り当てることで、より柔軟性のある権限を付与することができます。


どちらも、個々のユーザーに逐一設定する手間を省き、効率的かつ一貫した権限管理を実現するための重要な機能です。
まとめ
AWSとSalesforceは提供するサービスの領域は異なりますが、片方のサービスで得た知識が、もう片方のサービスを理解するうえで大いに役立つことを実感できました。
この記事を通して、まだ勉強や経験していないクラウドサービスについて一歩目を踏み出すきっかけになれば幸いです。
今回はユーザー管理についてご紹介しましたが、それ以外にも共通点を発見したら、また記事を掲載したいと思います!
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