AWS Summit Japanに行ってきました!!
- hinoue2826
- 10月6日
- 読了時間: 8分

目次
はじめに
去年もAWS Summitに参加したのですが、今年もたまたま日程の都合がよかったのでAWS Summitに参加しました。自分の身近なものから、今まで気にしたことのないものまでAWSが使われており、何度「すごい」と言ったかわからないぐらいすごかったです。一部ではありますが、本ブログで紹介できればと思います。
今回のイベントについて
こちらが開催概要です。
・開催日時:2025 年 6 月 25 日(水) 10:00 - 18:30、26 日(木)10:00 - 17:00
・オンデマンド配信期間: 6 月 26 日(木) - 7 月 11 日(金)
・会場:幕張メッセ & ライブ配信
・参加費用:無料
・主催:アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
AWS Summitではセッションが160以上あり、7/11までオンデマンド配信がありました。
多くの有名企業がスポンサーとして参加しております。また、会場内の人もかなり多く、これだけAWSが注目されているということがわかります。


2日間でセッションを7つ視聴しました。難しすぎて私にはわからないセッションから馴染みのあるサービスのセッションまでさまざまありましたが、どれも大変勉強になりました。中でも印象に残ったセッションを1つ紹介できればと思います。
※オンデマンド配信にてすべて視聴できると思っていたのですが、今から紹介するセッションはありませんでした😭
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セッション「マルチクラウドにおけるITコストの最適化」の感想
・セッション名:マルチクラウドにおけるITコストの最適化
・会社名:Datadog Japan 合同会社
・発表者:山田 晃嗣氏(Datadog Japan 合同会社 テクニカルアカウントマネージャー)
ITコスト最適化の話をする前に、車とロケットを比較するところから始まりました。車もロケットも目的地にたどり着くために使用される乗り物です。では、「目的地にたどり着く」ために必要不可欠なものと、人によってはなくてもいいものを比較します。
必要不可欠なもの | 人によってはなくてもいいもの | |
車 | エンジン | エアコン、オーディオなど |
ロケット | エンジン | なし |
当たり前ですが、車もロケットも目的地にたどり着くためにエンジンは必要不可欠ですね。では、車についているエアコンやオーディオは「目的地にたどりつく」を果たすために必要不可欠でしょうか?
人によっては必要不可欠かもしれませんが、目的地にたどり着ければなくてもいいという人もいるかもしれません。一方、ロケットには「目的地にたどりつく」という目的を果たすために、なくてもいいパーツは1つもありません。ロケットは「目的地にたどりつく」という目的を果たすために、必要不可欠なパーツのみで構成されています。
ここまでのたとえを踏まえたうえでの次のひとことが、とても印象に残りました。
「ITシステムは、車ではなくロケットのようにあるべきだ」
何が言いたいかというと、ITシステムのコスト最適化において、目的のために必要不可欠なサービスのみで構成することが重要である、ということです。
ではどのようにすればよいのか、セッションで紹介された方法は大きく3点でした。
1.不要なものは取り除く
◆ツールの統合
・システムを構成する上で、外部ツールに依存していることが多い傾向にある。
・システムが個々に分かれていると、データを通信するだけでコストがかかる。
◆未使用リソースの削除
・ロードバランサーなど自動で作成される機能は便利な反面、消し忘れ等でコストがかかっている場合がある
・検証用アカウントなどもリソースの消し忘れなどが起こりがち
・無駄なアラートや設定の見直し
2.効果、効率の順に考える
◆ビジネスメトリクスの活用
・目標に対してどれくらい達成しているかモニタリングする
・目標を達成し、効果を確認する
◆トレースとプロファイリングでディープダイブ
・目標達成後に、いかにコストを減らせるか見直すといい
・どこの処理にどれくらいかかったか把握する
・目標を達成し、効果を把握した後、効率を考える
3.オーナーシップ文化を築く
◆エンドツーエンドサービスのオーナーシップ
・タグをつけて可視化するなどして、コストを把握する
◆成功を褒めたたえる
・コスト削減のテスト結果などを共有することで、周りの人のナレッジや自分のモチベーションアップにもつながる
業務において、「コスト」は必ず考えなければならない要素の1つです。セッションで話していた内容は一見当たり前のことかもしれませんが、当たり前のことを継続して行うのが一番難しいと思います。とても勉強になりました。
今回のセッションは、Datadog Japan 合同会社という、クラウド向けに監視やセキュリティのプラットフォームを提供する会社の方のプレゼンでした。セッション内容だけでなく、イメージしやすいものを比較対象とした上で本題に入り、話に興味を持たせるという流れにも感動しました。
ブースの紹介
AWS Summitはセッションだけでなく、たくさんのブースも展示されています。
今回は3つ紹介したいと思います。
1.コーヒーをサーバレスともに
API GatewayとLambdaを使用して作られた、サーバーレス注文システムのブースがありました。
動作の流れ
1.画面に表示されているQRコードを読み取ります。
2.必要箇所を入力するとスマホに番号が発番され、モニターに同じ番号が表示されます。
3.出来上がるとコーヒーを受け取ることができます。
ちなみに私はコーヒーが飲めないので、周りの人がやっているのを眺めていました😅
※画像が見にくくてすみません。


構成図
下記が構成図になります。
※画像が見にくくてすみません。

システム内の流れ
フロントエンド
Ordering app (注文アプリ): 顧客が使うスマートフォン
Display app (ディスプレイアプリ): 注文状況を表示するディスプレイ
Barista app (バリスタアプリ): 店員が注文を確認するためのアプリ
1. 注文の受付
まず、顧客がOrdering app(注文アプリ)から商品を注文します。API Gatewayを経由してLambda関数が実行されます。Lambdaは注文内容をデータベースのDynamoDBに保存し、処理が完了すると「新規注文」というイベントをEventBridgeに送信します。

2. イベント
EventBridgeはシステムの中心的なハブとして機能します。「新規注文」イベントを受け取ると、設定されたルールに基づきイベントを送ります。

3.ワークフローの開始
Step Functionsで定義されたOrder processing workflow(注文処理ワークフロー)が開始されます。

4.注文の通知
EventBridgeからLambda、IoT Coreを経由してBarista app (バリスタアプリ)に注文の内容が送られます。

2.AWSサーバーレスサービスで実現する、ラーメン山岡家のキッチンオペレーション
山岡家という有名ラーメン店で、実際に使用されているゆで麺タイマーのブースがありました。使用されているサービスはFargate、ElastiCache、Bedrockです。

動作の流れ
1.食券機から注文情報を取得し、注文の最適順序を決定します。
2.注文があったメニューの麺を入れてタイマーをスタートします。
3.タイマー終了後、湯切りをして完成です。

システム内の流れ

①受付用の Fargateが券売機からの注文リクエストを受信し、Amazon ElastiCacheへ保存
②Redis Streamを通じて、最適化処理AWS Fargateへ転送
③最適化処理用のFargateはBedrockに問い合わせ、注文の最適な順序を決定
④最適化された注文情報をゆで麺タイマーに送信
3.スポーツハイライト制作、AWSで90%時間削減
サッカーのライブ映像から、ハイライトの作成を紹介したブースがありました。
主な使用サービスはLambda、Bedrock、Rekognitionです。

動作の流れ
1.試合のライブ映像からAIを使い、映像を解析します。
2.解析の結果、ゴールシーンや注目プレイと判断された箇所をハイライト映像として作成します。
構成図
下記が構成図です。
※画像が見にくくてすみません。

システム内の流れ
システムは大きく分けて「動画データ連携」「AI検知」「動画切り出し」の3つのマイクロサービスで構成されています。それぞれのサービスが連携して、以下の流れで処理が進みます。
1.動画データ連携
まず、配信されているライブ映像をAWS Elemental MediaConnectで受け取ります。AWS Lambdaが定期的に起動し、ライブ映像を数秒単位の短い動画セグメントに分割して、Amazon S3ストレージに保存します。

2.AI検知
動画セグメントがS3に保存されると、それをトリガーに「動画が追加された」というイベントがAmazon EventBridgeに送信されます。EventBridgeはそのイベントを受け取り、AI分析を担当するサービスに処理を振り分けます。
AI分析サービスでは、Amazon Rekognitionが動画内の物体(ボール、選手など)やテキストを検出し、Amazon Bedrockがそれらの情報から「これがゴールシーンである」といった高度な判断を行います。

3.動画切り出し
AIが「ハイライトにすべきシーンだ」と判断すると、その結果が再びEventBridgeにイベントとして送られます。
イベントを受け取った動画切り出しサービス(Lambda)が、該当する複数の動画セグメントを繋ぎ合わせ、1つのハイライト動画を作成します。

その他の紹介
セッションやブース以外にも色々な展示やイベントがありました。
AWSが作成した車が展示されていたり、ゲストとして、クイズ系YoutuberのQuizKnockによる、クラウドやAWSに関するクイズ大会があったりして大盛り上がりでした!


AWSのデータセンターです。東京のどこかにあるみたいです、、、

最後にこの2日間でもらったノベルティです。やはり一番よかったのは右にある
Tシャツですかね。シンプルなデザインなので、どこかで着ようかなと思います。

まとめ
今回は2日間AWS Summitに参加してきました。どこを見渡してもIoT(AWS IoT Core)や生成AI(Amazon Bedrock)、その他AIサービスのワードが目に入り、去年よりますます注目されていることを実感しました。ブースやセッションに参加して、楽しみながら学べる良いイベントだと思います。来年も開催されると思いますので、ぜひ都合が合えば参加してみてください。
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